うろこ雲の下、土産のドライマンゴーの香りに旅のシーンが溶け込んでいく・・・。 ボラカイ島、ザ・ファーム、マニラを訪れたことは、まるでタイムマシーンに乗って一速飛びに今の地球の現状を垣間見てしまったような感がする。
喜怒哀楽の4人女子旅(12才女の子、2人の熟女、おばあちゃん)の始まりは、さっそくの問題発生!から。
「子供は保護者と一緒でないとフィリピンへは行けません!人身売買の疑いがありますから。大人3人で行きますか」と事務的に言うマニラ行きのチェックインカウンターのオネエサン。
12才の女子は初めての海外だというのに!「私売られるの?!」と泣きべそぎみ。
なんてことだ!ちゃんとパスポートあるのに!と憤慨しながらも、呼吸を整え対応する!何だかんだで一件落着 ホッ☺
マニラ深夜到着で空港ホテルの二段bedに横たわる。なぜか最年長のサンドラが上段でジョーダンじゃないよと軽々と梯子をのぼる。
時間まちがえ夜明け前3時間も早く起こしてしまったけど、プロペラ機は雨期が終わった島に着陸。ホラガイを吹いているような太い声のおばさんに押され、ボラカイ島行きのバンカーボート(フィリピンの伝統的漁船)に乗り込む。ここでも中国系、韓国系の旅行者が圧倒的に多い。
林の中のコテージのドアを開けると、大好きなマンゴーとバナナが目に入る。もぎたてのフルーツが緊張をといてくれる。オシャレな蚊帳付きベッドの上でひと休みして、ホテル裏の階段を降り、従業員宿舎の生活感漂う住まいを抜けると、そこはパラダイス!
白い砂浜と真っ青な海にヨットが浮かぶ、絵ハガキのような世界が広がっている。12才の女子が早く海に入りたくてウズウズしてるのが伝わってくる。
海に走りこむ!!気持ち良さ最高!!引いては打ち寄せる波とたわむれる。白に黒の斑点がついた魚たちが寄ってくる。透明な海水が体の細胞の隅々まで浸透して、いらないもの全部洗い流してくれてるよう。
全てをゆだねたような心地よさは、乳のみ児がお母さんにだっこしてもらい安心しきってるような情景と重なる。
打ち寄せる波の数は1分間に18回で、これは人間の平均的呼吸の数と同じ。そして18の4倍(シアワセ倍数)の72は1分間の人の脈数になる。また、ヒトと海と胎児が住む羊水はミネラルバランスが同じ。そして地球に対しての海の割合約71%は人間における水の割合とほぼ一致しているという。なるほど・・・深くうなずく。
詩人の三好達治の歌に、
“海よ。僕らの使う文字ではお前の中に母がいる。
そして母よ。フランス人の言葉ではあなたの中に海がある。
母Mere 海Mer“
海と人間と母のつながりに自然とリスペクトの気持ちが沸き上がる。今回の旅のテーマ「楽主観」。インドの女神ラクシュミは、美と豊かさの象徴である。全てのものの中に”美”を感じられることが豊かさなのかも・・・。心の目で観ることで真の楽しさ(楽)を体感したいと願っていたことが現実となっている。
水平線に沈んでいく夕陽に感謝の想いをはせながら、紙のストローでミックスジュースを飲む。この島が持続可能な観光地のモデルとして再出発していることを見習いたい。
鳥たちのシンフォニーで爽やかに目覚め、Yogaクラスに参加する。木と石と熱帯の植物が調和している円形のスタジオは、座しているだけで自然と呼吸が整い癒される。アメリカ人の先生の指導で更にリフレッシュする。
世界のベストビーチにランクインしているゴミひとつない美しい海で、想い描いてた通りのダイビングができたことは、私達にとって最高のギフトとなる。偶然にも日本人インストラクターMs.YOKOに出会って、安心とわくわく感が高まる。おばあちゃん以外皆初ダイビング。
サンドラが25年程前初めて潜った時の感動が思い起こされる。海の底の色とりどりの熱帯魚の群れとサンゴ礁の美しさの中で、竜宮城の乙姫になったような気分だった。
この大感動を分かち合いたかった。こんなにも地球は美しい!!汚したり、壊したりしたら申し訳ないと素直にECOマインドになれるはず。
珍しい海の生きものたちと充分たわむれて陸に上がったら、ウラ島太郎ではなくオモテ島太郎子!?になって随分と若返ったみたい(笑)
YOKOさんお勧めの人気のレストランでフィリピン事情やダイビングヒストリーに耳を傾ける。この旅にいっそう味わいが深まる。ペットのワンちゃん「ななめ」は、まんべんの笑みで語るYOKOさんだけを見ている。ダイブショップのオーナーが”人生ななめに生きることも意味ありで面白いんだよ”との思いを込めて「ななめ」と名付けたとのこと。テーブル脚元にいる「ななめ」をあらためて上から横目でななめに見る(笑)カワイイ!
3日目の朝の乗馬散歩は見事にあてがハズレル。白く続く砂浜を闊歩するハズだったが・・・。フィリピンスラムを思わせるジメッーとしている路地に、ひもにぶら下がっている洗濯物の合間を抜けて山中に出る。しばらく行くと、熟女が乗った馬がヒヒ~ンと前足を上げる。熟女ゆっくりと落馬!!サンドラの目にはその情景がスローモーションのように見えたが、助けようにも体が追い付かない。大丈夫!!と信じ切る!!尻もちの痛みだけで事なきを得る。
コース予定半分できりあげ、またスラムの中を戻っていく。窓も戸も開けっ放しで、赤ちゃんにミルクを与えている若い母親の姿や、軒先で孫を抱っこして鼻歌を歌っているおばあちゃんを横目に、パスポートbagに手をあて通り過ぎる私達は場違いで浮いてみえる。タイムマシーンで”おしん”の世界に舞い降りたような錯覚。ほったて小屋横のハイビスカスの赤い花が、やけに美しく見える。
浅黒い両腕の鯉のタトゥーが力強くみえる客引きのオニイサンとうまく(漁舟に)料金交渉成立し、沖に出る。シュノーケリングをしながら島めぐりを楽しむ。
エメラルドグリーンの海がどこまでも光っている。親子みたいに見える21才と45才の漁師は息が合ってる。「大丈夫、危なくないよ。」としっかりもてなしてくれる若者に頼もしい未来を感じる。
キラキラ輝く海を下に見て再びマニラへ飛ぶ。飛行機の窓から見える虹に女子たちは歓喜する。
そしてThe Farmへ―――。タクシーのドライバーが何回も道を尋ねながら2時間以上かかってようやく辿り着いた所は―――。何と!Shangri-la桃源境! またまたタイムマシーンで別世界へ突入した感!優雅な孔雀に迎えられた私たちの姿格好はその場の雰囲気に溶け込んでなさそう。気取ったアヒルが足元をつついてくる。サンドラももう少しエレガントに振舞おうと思っても地が出る。なんと言ってもスマイルが一番と、堂々と歩いているオスのカモにウィンクする。
50ヘクタール(5km x 5km)の敷地にはヴィラや池が程よく点在し、ジャングルの中のオアシスのよう。私たちのコテージの塀の上で十羽近い孔雀が並んでいつまでも歓迎してくれる。時にはドアを口ばしでトントンたたいて猫みたいな声あげenjoyしてる?!とご挨拶。美しい羽を全開しての求愛のシーンにエールを送る。
マンゴ、バナナ、マホガニー等様々な樹木の間を散策。イランイランの花に鼻を近づけトラントラン(とらない)と言いながら。Up Downの道を随分歩いても疲れを感じないし本当に空気がおいしい!これだったらかすみを食べて生きていけそうと思う。
ビーガン料理がモットーのここのCafeは、敷地内の畑でとれるオーガニック野菜がすぐキッチンへそしてテーブルへと。美しく盛られ何でも珍しく一口ごとに、身体のすみずみまでエネルギーが浸透していくよう。ピザのチーズに代わるものはカシューナッツクリームで、違和感はなく食がすすむ。オーガニック食材を心をこめて時間をかけて料理するslow foodは、真の意味で人生を豊かにしてくれる。手軽、簡単、チンのfast foodは、便利と引き換えに何か大事なものを失っている気がする。
霧雨の中、山の上から見下ろしているかのような緑のグラデーションが遠くまでず~っと続く絶景を目の前にして、Yogaをする。自然と瞑想は深くなる。水の音、そよ風、鳥のさえずりがBGM。エデンの園に舞い降りたかのよう。フィリピン人の温和なyoga先生と日本での再会を約束する。
Farm(農場)のイメージとは程遠いThe Farmでヤシの葉の揺れに合わせるかのようにゆったり、もったりすごす。水鉢にブーゲンビリアを浮かべたりして遊んだ後、大都市マニラに戻る。
6車線を車、オートバイ、人、人、人、がひっきりなしに動めいてる中、アジア一番の大きさを誇るモールまで、鼻、口をタオルでふさいで小走りに行く。このように息が出来ないほど汚染がひどい街が、地球上にあちこちあることに心が痛む。温暖化、異常気象を実感する。
私たちは、きれいな水、空気、大地で満たされたい。あたり前の幸せのために行動を起こさなければ・・・。
心から使命が沸き上がる。
サンドラの30年前にタイムスリップする。「美しい地球を子供たちに!!」と柳川の女性たちと手を取り合って訴えていた。”More and More”(もっともっと!足りない!)をやめようと気づいていたはずなのに。今の現状はあれからもっともっと環境悪化している。その頃は、そんなに聞かなかった病気やいろんなアレルギーが私たちの身近で珍しくなくなっている。これからの令和の時代を生きていく子供たちのことを想って、今こそ本気にならなくちゃ!!行動を、アクションを!!八クッション(用心のサイン)ではなく!☺
ここに1993年グローバルフォーラムで各国代表に訴えたセブリンさん(13才)のメッセージを抜粋します。26年前デス!
”本当に大切なことは、純白で偽りのないことです。
あなた方の中の子どもの心は、一番大切な価値や本質を知っています。それなのにあなた方の興味は出世やお金儲けのことばかりです。
あなた方は「子どものとき自然はいつもそばにあった」という思い出をもつ最後の世代になってしまうのではないでしょうか。すでに都会の子どもたちには自然に触れ合う経験はありません。
私は二十一世紀に二十一歳になります。あなた方の残した地球で生きることになるのです。私たちが生きることのできる地球を残すためには、大きな変革を急いで実行する必要があります。本当にそれをしてもらえるのでしょうか。もしあなた方がやらなければ、一体誰がするのでしょうか。
もうこれ以上私たちの地球を破壊することを正当化することはできません。”
そして今年、希望溢れる詩「ジャーニーtoハーモニー」を聴き勇気をもらっています。
♪♪ 君が笑えば世界は輝く。誰かの幸せが今を照らす。僕らの喜びよ君に届け ♪♪
今回の女子旅では思ってもないアクシデントに多々あいながらも直観と、”大丈夫”と自分自身を信じきる事でゲームしてるようにクリアできた。あらためて「御陰様」の意味が深く魂にしみていく。
心の目で観て体感して創造していくプロセスを楽しむことが、生き方「楽主観」の醍醐味だと気づく。ポジティブに未来の地球を想像しながら女神ラクシュミに頭をたれる。
すべてに感謝
照サンドラ
2019年12月3日
~参加者の感想~
それはそれは美しい島ボラカイ島。今回の旅の目的は、思いっきり海を楽しむ事。
しかし初めてのダイビング、全く自信も無く、緊張と不安でしかなかったのですが、インストラクターYOKOさんの親切丁寧な説明と怖さも忘れて海を楽しんで下さいの言葉を信じ潜る事に。ビーチでの練習の時は、耳抜きも出来ずやっぱり無理だと思いました。しかし、あれよあれよと船に乗せられダイビングポイントまで行くと、あっという間に器材を付けられ、海に落とされました。今思うと、色々考える間も無かった事が良かったのかも・・・(笑)。
海の中って、広く、青く、そして優雅で、魚とこんなに間近で泳げて最高!!
人生で初めての感覚。美しい海に全てをゆだねて、本当に良かった。海の神秘を体験させていただきました。南国の素敵なリゾートマンダラスパ。スタッフの笑顔やホスピタリティの高さも素晴らしかった。 The Farmホテルも、緑の美しさ、風の心地よさ、オーガニック食事の美味しさ、それに何と言っても、沢山の孔雀の歓迎には驚きでした。行ってみないと分からない事、やってみないと分からない事、挑戦することの意味や価値を改めて実感しました。本当にいい経験をさせていただきました。
サンドラ先生、ゆみちゃん、あかねちゃん、ありがとうございました。
あかねちゃんは初めての海外がフィリピンで、不安やさみしさもあった事でしょう。
他では出来ない素晴らしい経験だったと思います。多分、あかねちゃんの数年後は色んな国を旅してるんじゃないかなあって思いました。楽しみだな~☺
(Anny)
私はフィリピンにいっておどろいたことがいくつかあります。一つ目は、道路がかた方だけで六車線あったことです。日本は3ぐらいしかありません。二つ目は、日本より進んでいるということです。今、プラスチックごみの問題があります。ここでは紙のストローが使われていました。三つ目は、食事が日本と同じくらいのねだんということです。
私のフィリピンの一番の思い出は、ボラカイの美しい海でダイビングをしたことです。たくさんの海の生き物とふれあえました。でも、スキルはとてもむずかしかったです。私がこの旅行で感じたことや学んだことを生かして、これから生活していきたいと思います。
(A.U.)
不思議な4人の旅が始まった。
空港からどこか懐かしい街並みを抜け、Boracay島へ渡った。Boracay島。まるで絵の中に迷い込んでしまったように、そこは青い海、白いビーチ、そしてヨット。感動しかなかった。
人生初のダイビング。今思えばBoracayで。。。
何て贅沢な体験なんだろうか。
魚達が導いてくれるように共に泳ぎ、珊瑚の美しさ、不安や怖さは一切なくなる波のやさしさに心癒される時間。またして感動。
YOKOさんとの出会い。フィリピンの人々の国民性を教えてもらった。一本の路地が変えるフィリピンの本当の生活を見、考える事がたくさん出てきた。
海から森へ。孔雀が迎えてくれた5スターホテル。広大な敷地内で育つ野菜。それを頂く喜びを感じることができた。安心して食べられる事への喜び。またまた感動。
そして街へ。活気あふれるマニラの街。そこに暮らす人々のたくましさ、力強さを感じた。今回の旅では、本当に考えさせられる事、学ぶことが多い時間だった。Boracayの海に感謝。The Farmの食事に感謝。出会えた人々に感謝。
今年もありがとうございました。
(Y.M)